八ッ場に行ってきた

八ッ場(やんば)に行ってきた。
といっても、あの6都県の知事が視察に出向く直前で、10日ほど前のことだけれど、百聞は一見にしかず、なるほど、と思うことが多々あった。

結論から言ってしまえば、八ッ場ダムの計画自体が大変に“常軌を逸した”ものであり、とりわけ、その事業の進め方は、およそ尋常なものとは思えない…と言わざるをえない。
報道等でおわかりのように、八ッ場ダムの本体の工事はまだ始まっていない。
しかし、現地に足を踏み入れてみると、周辺のいたるところで大規模な土木工事が進行中で、あたり一帯が“一大土木産業ゾーン”と化していることをひしひしと感じさせられる。
八ッ場ダムの目的について、先日の視察の旗振り役だった石原慎太郎東京都知事をはじめとする6都県の知事たちは、盛んに治水や利水上の必要性ということを言い立てる。
しかし、あの地域の状況を目にしたら、「それって本当なのだろうか?」と思うのが、まともな市民の感覚というものではないかと思う。
治水や利水の面で実際にどの程度の効果が見込めるかについて、6都県の知事たちの主張に疑問を抱かせる意見・報告があるのはもちろんだが、たとえ相当な効果が見込めたとしても、「…こんなにも大規模な周辺工事をセットにした計画が、はたして妥当なものだといえるのだろうか?」というのが、現地に立ってみた筆者の率直な感想だ。
ともあれ、この八ッ場ダムの問題については、前衆議院議員保坂展人さんが『週刊朝日』の10月16日号に「八ッ場ダムの隠された真実」という記事をお書きになったそうなので(残念ながら筆者は未見)、まずそれをお読みいただくべきだろう。
また、保坂さんが、やはりご自分のブログで続報として述べておられる「戸倉ダム」の問題についても、ぜひ目を向けていただきたい(ここに保坂さんが引用されている地元の人らしい方からの投書の主旨に、筆者も全面的に賛成だ)。

最後に、客観性のあるデータを十分に顧慮・検討することもなく、あのようなパフォーマンスに走った6都県の知事たちの行動こそ、まさに噴飯ものであり、この国の恥であると筆者は思う。

このテーマについては、細かく述べればきりがないので、ひとまずここまでにしておく。