「旧・川崎南高校」は、どうなる?

先日(6月5日)、たまたまTVのニュース番組を見ていて、この問題を知った。
テレビ朝日だったから、「スーパーモーニング」だろうか?
ともかく、筆者も神奈川県民の一人ではあるし、これまでかかわりをもってきた下北沢の再開発問題と共通する点も多いので、ざっと紹介しておきたい。

ネット上の情報も加えて整理すると、川崎市川崎区にあった神奈川県立川崎南高校は、他の県立高に統合されて2004年に廃校になったのだが、同校の校舎は築28年の比較的新しい建物であり、近隣の住民や同校の卒業生には「将来は福祉施設等に転用する」と聞いていた人も多いという。

そこで地元では、同校をデイケア等の老人福祉施設や保育園等に転用して使わせてほしいという要望が出されているのだが、同校の管理権者である神奈川県は、7億7000万円もの巨費(もちろんすべて税金)を投じて校舎を取り壊し、跡地をUR都市再生機構に売却するという方針を打ち出しており、紛争化している、というものだ(住民と県の間に川崎市もかんでいるが、ここではふれずにおく)。

――以上のアウトラインだけで考えれば、県にも県の事情があるのだろうし、地元の人たちの要望にも無理や難点があるのではないか、と考える人もいるかもしれない。

しかし、筆者が知りえたかぎりでは、神奈川県の対応はあまりに乱暴かつ理不尽であり、もしあなたがこの地域に住んでいたとすれば、驚くのを通り越して怒らずにはいられないのではないかと思う。

そのほんの一例を挙げれば、この種のケースにはつきものの行政による「説明会」の問題があるが、これについて、地元の方(だと思われる)は以下のようにお書きになっている。

>>いろいろな折衝や交渉をしていく中、多かれ少なかれ、行政から受ける扱いは共通なものがあるかと思います。特に決めてからやる「アリバイづくり説明会」、これには随分と地域住民の方は泣かされてきたのではないでしょうか。<<

>>まったく「説明していない説明会」を何度か開催し、当然のごとく紛糾しますが、「充分説明した」とのたまって、「時間も来ましたのでこれで説明会をおわります」とする。「何も説明してないじゃないか?!」と皆で訴えるわけですが、最後の決め文句は「見解の不一致」つまり、いくら説明しても反対が前提の住民は何も理解しようとしない、これ以上は無駄だ。充分説明した。とする。もうむちゃくちゃである。<<

……この箇所だけでも、ぜひ全文*1を読んでみていただきたいものだが、実は、これとウリ二つの「説明会」が、平成18年の5月に下北沢でもあったのだ*2。あまりに不快だったので、思い出すのも嫌なほどなのだけれど――。

ともあれ、この「旧・川崎南高校」の問題の場合も、行政の過ちは歴然としており、計画はいったん白紙に戻して、地域の住民との話し合いからやり直すべき(その際、担当者の責任を明確にする必要もあるだろう)、と筆者は考える。

そのためには、このケースでは、まず松沢知事が決断するしかないだろうが、その知事が、どうも知らぬ存ぜぬを決め込んでいるようなので、これは二重三重にひどい話だと思う。

ともかく、日本の都市のあり方に関心がある方であれば、どんな立場であれ、以下で読める地元の人たちの声に耳を傾けてみるようお勧めしておきたい。

本気で臨海部の未来を考える会BLOG
http://rinkaibu.exblog.jp/

*1 http://rinkaibu.exblog.jp/8357459/
*2 http://www.news.janjan.jp/area/0605/0605285085/1.php