腑に落ちない

今朝のNHKのニュースで、アナウンサーが開口一番、今回の参院選の争点は「ねじれの解消」だ…と語っていた。が、これは政権与党である自民党公明党の主張であって、野党がそんなことを主張するはずもない。これでは、NHKは与党のプロパガンダ機関になったようなものだ。いまさらではあるにしても、何とも嘆かわしい。

今エジプトで起きている政変について、この国での報道は、「クーデター」と評価することで、ほぼ足並みが揃ったようだ*1。しかし、エジプトの状況は、この一語で断罪できるような単純なものだとは到底思えない。それでも「クーデター」論がまかり通ってしまうのは、まず米当局が認定したので、それに追随していればいい、ということでしかないのではなかろうか。

元CIA職員のエドワード・スノーデン氏も、今やすっかり犯罪者扱いされているが、米当局が100%正しくて、スノーデン氏個人だけに非がある…という見方は、おかしいのではないか。もちろん、彼自身は犯罪者扱いされることは覚悟の上で米当局がやっていることの暴露に踏み切ったに違いないが、強者の尻馬に乗るような報道ばかりというのは、どうにも気持ちが悪い。この件について、オバマは明らかに判断ミスを犯していると筆者は思うが、その根底には「CIAを(もちろんNSAも)敵に回したくない」という思いがあるように思われる。この点に触れた報道なりコメントがさっぱり見当たらないのも、どうも物足りない。

金子勝氏がつとに指摘していることだが、東京電力はすでに完全に経営破綻状態に陥っており、福島第1原発事故を処理する当事者能力も喪失している。にもかかわらず、どうしてこの事実があまり問題にもされないのか、理解に苦しむ。福島を、そして東北全体を切り捨てたところで、何が悪い…とでも思っているのだとしたら、それはあまりにも皮相だというしかない。

*1:TBSの「Nスタ」の堀尾正明キャスターが疑問を呈していたことは明記しておきたい。